シルバー人材センターとは

シルバー人材センターとは、自治体や国から補助金などの支援・指導を受けて運営されている公的組織(非営利団体)です。

原則60歳以上の高齢者が会員として登録し、働いたり地域貢献(ボランティア)をしたり、サークル活動などを通して地域で仲間づくりができます。日本全国で約70万人…つまり、100人に2人ほどが登録して活動しています。50人に一人はシルバー人材センター会員だと思うとすごくないですか?

シルバー人材センターってどのくらいあるの?

現在「シルバー人材センター」は1741ある市区町村のうち、1307か所に設置されています。

いくつかの地域にまたがって1センターとして運営している場所もあるので、ほとんどの地域に存在していると言えます。1307といってもイメージが湧かないかもしれませんが、だいたいケンタッキーやモスバーガー、サイゼリヤなどの国内店舗数と同じくらいです。なかなか多いですよね。サイゼリヤとか、もっとありそうですよね。

※ちなみにセブンイレブンは2万店舗越えだそうです。半端じゃないですね。

なんでどこにでもあるの?

シルバー人材センターはコンビニやファミレス、クリーニング屋さんのように民営企業ではありませんし、事業収入だけでは成り立たない非営利構造を取っているのになぜどの地域にもあるのでしょう?それは、法律で定められた組織であり、補助金を受けることができる団体だからです。

シルバー人材センターが自治体単位で設置されることは高齢法で定められており、要件を満たす運営をすることで自治体や国から補助金を受けることができます。これにより、安心かつ比較的安価な条件で市民はシルバー人材センターを利用でき、高齢者は安心かつ多岐にわたる就労機会を得ることができるわけです。(ただ、とても重要なことなので何度も書いていきますが、シルバー人材センターの構造は理にかなっており、まじめに運営していれば交付される補助金額以上の成果を出すことができる、生産性の高い公益法人なんです!嘘くさいと思われるかもしれませんが、本当なんです!!)

どのくらい前からあるの?

高齢者の就労機会を確保しようという動きはなんと昭和50年代(1970年代)から始まっており、その頃の法律によって今もこうしてシルバー人材センターが成り立っています。東大名誉教授の大河内一男先生が立役者として今も関係者の間では有名人です。

日本では50年以上前から高齢者が就労機会を通して生きがいをもち生きることの大切さに気付き、こうしてその歴史が紡がれてきたというのは誇らしいことだと思います。世界に先駆けた取り組みとして、今でも多くの諸外国から視察を受けています。

そんなまでして働かないとダメ?

『そうはいうけど、長いこと高い税金を納めてきて、高齢になっても働かなきゃいけないの?』という疑問もありますよね。それはそれで同感です。ただ、シルバー人材センターは生活費を得るための最終手段というよりも、生きがいをもって生きることでQOLを上げたり地域貢献ができるという趣旨なので、これは入会して実際に活動してみたり、よく調べていただかないと分からない温度差かもしれません。

会員になったらどんな良いことがある?

①就労による収入

②就労や社会奉仕活動(ボランティア)を通した地域貢献

③会員活動を通して得られる横のつながり

④これらによる生活品質(QOL)の上昇、健康維持増強

おおまかにはこのようなものが挙げられます。ただし、①については入会したら仕事(=収入)が得られるというものではありません。②③④はシルバー人材センターじゃなくてもNPOや他の非営利団体に所属されても得られる可能性があります。つまり、シルバー人材センターじゃないとダメなことはない。と私は思っています。

現役時代の仕事を80歳以上まで続けていらっしゃる方、定年後はボランティア活動に専念される方、趣味や家族・友人との時間に充てる方、何もしなくても日々を楽しく生きている方、高齢者の生き方は多様性があって当然ですし、結論、自立して楽しく生きているなら何でもOKなんです。ただ、誰もがそうした生きがいを迷いなく持っているわけではありません。

シルバー人材センターに入ったらシルバー人材センターのことしかできないとか、シルバー人材センターの会員として人生を歩まなければならないということはありません。シルバー人材センターを楽しく生きるために利用する。というのが正解です。

事務局職員として働き、多くの会員さんたちと過ごすなかで感じたことは、「居場所」や「やること」があるという「制約」の大切さです。夏目漱石の言葉に、『吾人は自由を欲して自由を得た。自由を得た結果、不自由を感じて困っている』というものがあります。自由すぎることは、自由ではないということです。やるべきことがあり、誰かとつながり、やるべきことに対価が生じる(つまり、必要とされる)ということは、生きがいを持つことに直結するのだと考えます。

ただ、制約が強すぎると楽しめなくなるので、煮詰めすぎないことも大切です。

利用する側のメリットは?

①利用価格が比較的安価

②高齢者の健康維持・生きがいづくりに寄与

③地域社会の活性化に貢献

④公的組織という安心感

前述のように、シルバー人材センターは少なからず税金が投じられた公的組織です。また、多くのシルバー人材センターは公益社団法人なので、「収支相償」といって「儲けてはならない。儲けたら社会還元しろ」というルールがあります。

つまり、利益が限りなく薄い状態で事業運営がされているので、比較的単価設定が安価になっているということです。※同時に「民業圧迫になってはならない」「最低賃金のベース以上を会員の対価に設定せよ」というルールもあるので、異常に安いこともありませんし、たまにネットで見かける「高齢者を違法に安く働かせるな!」ということもありません。

実際にはこの利用金額こそがメリットと感じる方が多いのですが、シルバー人材センターの会員が得られるメリットに書いたとおり、シルバー人材センターで高齢者が活動することで高齢者の生きがいや健康度が上がります。また、企業であれば「シルバー人材センターを利用している」「シルバー人材センターとコラボ事業がある」ということは、CSRとしても有益であり、公益性への意識が高いことを他の方に知っていただくきっかけにもなります。

企業だけでなく家庭についても、小学校の旗振りや放課後子ども教室の安全管理、家事援助による食事作りなど現役世代の支えになる仕事もありますし、シルバー人材センターの活動が活発になることは若い世代や企業にも間接的に良い影響を与えることができます。

公的組織とはいえ登録している一人一人は地域の高齢者ですので、プロに頼むような仕上がりにならなかったり、性格が合わなかったり、たまにはトラブルが起きることがあるかもしれませんが、問題があれば自治体に苦情も言いやすいですし、逃げて倒産するような組織でもありませんので、安心して利用いただき、社会の活性化にも寄与していると自信をもっていただければまさにWin-Winではないでしょうか。

知名度がいまいち上がらないので、もっと頑張りたい

少し前に、全国シルバー人材センター事業協会という上部団体が調査した結果が公開されました。詳細は別記事にしますが、高齢者のフレイル対策に明確な効果を発揮しているという内容です。そのほか、関連団体やそれ以外の調査機関などからシルバー人材センターでの活動が高齢者の健康維持に効果的だという実証がいくつも出ています。利用するメリットもあり、会員活動するメリットもある。もっと利用者が増えていい組織だと思っています。

補助金が投じられている組織なので当たり前…というところもあるのですが、補助金額よりも高い経済効果が出せているという根拠に、この健康増進があります。会員と非会員での医療費を比較した結果、一人年間6万円ほどの差がある。という調査結果があります。つまり、会員1000人のシルバー人材センターは年間6000万円の医療費削減ができている。ということです。(かなりざっくりですが。ただ、かなり前の調査なので今だともっと効果がありそう)

それ以外に、利用者が比較的安価に仕事を依頼できたことによる可処分所得の増加や収入を得た会員の消費促進などは地域経済の活性化になりますし、きちんと運営されていれば、補助金を投じるほど経済効果を出せる組織であると言えます。

高齢者向けの就労支援組織は民間でもなくはないのですが、現役世代向けの転職紹介企業ほど発達していませんよね。これは、高齢者という括りが実に多様であり、高齢者が求めているものもまた多様であるからだと思っています。ゆえに、シルバー人材センターだけがすべてでもないのですが、多様性のなかの大きな受け皿として有効な存在であることは間違いありません。

なのに…、まだまだ知名度が十分ではないのが現状です。正しい組織の情報も伝えられているとは思えません。なので、このサイトを通してより多くの方に「シルバー人材センターってこういう組織なんだ。意外といいじゃん」と思っていただけるように、発信をしていきます。

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