シルバー人材センターへ入会を考えている方へ

まず、入会をご検討いただいている方がご覧になっていると思いますので、入会を検討いただきありがとうございます。と言わせてください。

シルバー人材センターは会員さんがいなければ成り立たない組織です。一人でも多くの方にご入会いただき、実際に活動いただけることが最重要ですので、本当にうれしいです。

時間の使い方がいくらでもある時代に、働こう・地域に出よう、と考えて行動を起こす皆様の気概は本当に素晴らしく、私のような事務局職員もそれに突き動かされいます。

ここでは入会をご検討になる方に向けて伝えたいことを書きます。

そもそもシルバー人材センターに入る、とは?

別記事で「シルバー人材センターとは」を作成予定ですので、センターについてはそちらをご覧いただきたいのですが、冒頭で大切なところをお伝えします。

高齢者の方が行動を起こされたとき、ハローワークや役所から「働きたいならシルバー人材センターがありますよ」と紹介されることはよくあります。

シルバー人材センターを「ハローワークの高齢者版」と捉えている方が多くいらっしゃいますが、実際そうではありません。仕組みも存在意義も異なるものです。

ですので、ハローワークだと思って入会すると、収入的な意味で『思っていたのと違った…』となります。これは実際に退会理由の中でも大きな割合を占めるものなので、先にお伝えしました。せっかくの時間を無駄にしてしまうことになりかねません。

このあたりはどのセンターでも入会時にしっかりと説明しているはずなのですが、入会して仕事をしたい!という気持ちが高まっている状態だとその説明が聞こえづらくなってしまうのではないかと感じます。私も周りの注意を聞かずに深酒をして翌日後悔するということがたまにありますが、そのような感じではないでしょうか。(つまり、仕方ないのです!)

シルバー人材センターは、働く機会を提供することに加えて、社会貢献や地域参加、会員同士の繋がりも組織活動の一環になっています。

生活の補助として収入を得ることも大切なのですが、その就労を通して地域社会とつながり、孤立を防ぎ、ハリのある生活を送ることで健康寿命を延ばす。といった目的が上にあるので、単純な「稼ぐための場所」ではありません。

シルバー人材センターという組織の一員になり、自分の生活を良くして、地域社会にも貢献していく。という想いを持っていらっしゃる方が最も理念に合致した方といえます。

※もちろん「就労のために入会する」という方もいらっしゃいますので、それでもウェルカムなのですが、組織の成り立ちを知っていただくことはとても大切です。

ハローワークは無料登録によって利用可能ですが、シルバー人材センターは会員活動を行うために入会が必要です。入会には条件がありますが、年齢や居住地といったシンプルなものに加えて、年会費を払うことでほとんどの方が入会可能です。

※詳しい条件や年会費はそれぞれのシルバー人材センターにお問い合わせください。

ざっくりとしたイメージですが

ちなみに、なぜ会費が必要なのかというと、市役所やハローワークと違い、運営が原則自前の組織だからです。会員の皆様が使っていただける傷害保険や賠償保険の保険料、事務作業に関わる経費など、組織運営に関わる維持費として会費を納めていただく必要があります。といっても年間数千円程であり、会費で運営全体が賄えているわけではありません。運営について説明すると脱線してしまうので別の記事で書きたいと思います。

(面白くないかもしれませんが、運営の話だけでもなかなか奥深いんです…)

働くことが主体という点ではハローワークと通じるものもあり、上部団体は同じ系統なのですが、ハローワークとは役割が全く異なる組織だということを覚えておいてください。

ハローワークとシルバー人材センター、どちらを選べばいい?

ハローワークは実際に勤める場所ではなく、紹介してくれる「紹介所」です。

シルバー人材センターは入会(所属)して、活動する「環境」です。

※実際の就労場所はシルバー人材センター事務所ではなく、お客様先(現場)ですが、シルバー人材センターの一員として就労する。ということです。

定年を迎えた後、とりわけ75歳を超えるとハローワークで就労先を探すことはなかなか困難ですが、定年延長が更新されていく昨今、年金問題もあって60代には多様な働き方(選択肢)が提供されるようになりました。よって、60代の方は今までの職場で継続雇用されたり、違う場所で働く方が多いです。

シルバー人材センターではフルタイムで働けるような就労環境を用意することはほぼありません。ワークシェアリング(一つの仕事を複数名で担当する)の観点から多くの方に、公平に就労機会を持ってもらうこととしています。月の収入は、就業されている方の平均で、3万円~5万円程度です。

つまり、再雇用・継続雇用や自営業よりも収入・仕事量は少なくなることが大半です。

こういった背景から、シルバー人材センターの会員平均年齢は高齢化し、現在平均70歳を超え、75歳というところも出てきました。平均年齢が高齢化したから悪いということではなく、社会の変化に合わせて、そうした年齢層の方が多くなっているということです。

ハローワークで仕事が見つからないときの選択肢としてシルバー人材センターへ入会を検討されている方ももちろんいらっしゃいますし、そういった方のための場所でもあるのですが、前述のとおり「働くこと・稼ぐこと」を専売特許にしているわけではないので、その点を踏まえて入会をご検討いただければ、より会員活動が楽しくなるはずです。

そして、『仕事を通して生きがいや地域貢献・社会貢献をしたい。それで自分の健康につながるなら最高』とお考えの方は60歳になりたてでもシルバー人材センターへの入会をぜひご検討ください。60代の会員もたくさんいらっしゃいますし、幅広い年齢・人生観の方がいる場所で、第二・第三の社会参加をしていただけるはずです。

『職歴も年齢も関係ないなんて、シルバー人材センターに入って初めて働くのが楽しいと思えたよ』と会員さんから声をかけていただいたことがあり、本当にうれしかったです。

※70歳を超えてもハローワークでお仕事を紹介いただけることもありますし、60歳でシルバー人材センターに入会される方もいますので、あくまで平均的な話としてご覧ください。

実際、入会したら稼げる?

前の章でも書きましたが、就業している方の平均で月3~5万円くらいです。

就業していない方が2割から3割ほどいるのですが、当然仕事をしていなければ0円です。(ご病気や、就労以外の目的で会員登録されている方もいます。)

シルバー人材センターは公益性を重んじる公的組織ですので、一人に「美味しい仕事」を集中させたり、高収入者と低収入者の格差が生じるようなことはできません。

仮に「美味しい仕事」があったとしたら、それを多くの人数でシェアし、かつ定期的にメンバーをローテーションするような仕組みもあります。そうしてより多くの方に公平な就業機会をもっていただくことを意識しています。

ですので、『10万は絶対欲しい』『フルタイムで働きたい』という方には向いていません。70歳を超えて10万円以上を毎月稼ぐというのは精神的にも体力的にも本当に大変なことです。

シルバー人材センターでは月10日、週20時間以内、といった就労目安があるのですが、それは健康を維持・促進できるための業務量を考えてのものでもあります。

夜遅くの仕事や車を使った仕事を減らしたり、一人でできることでも危険性が高いと判断したら二人でできるようにお客様に交渉したり、「働きやすさ」を大切にしています。そうなると一人当たりの単価は高くすることが難しいですし、長い時間や手当がつくようなものも少なくなります。

働くことを通して得られる「別の素晴らしいこと」までがシルバー人材センターで就労するメリットだと感じていただければ幸いです。

とは言いつつも、実際には人手不足分野があるのも事実で、希望者が少ない業務だと少ない会員数で業務を行うことになり、結果として月10万円以上になる方も僅かながらいらっしゃいます。それは組織としては改善すべきことであり、推奨されることではないのですが、ごく少数ながら、いらっしゃいます。

どんな仕事がある?

シルバー人材センターを利用する視点としては、植木手入や除草、清掃などが仕事のメインでしょう?と思われることが多いです。実際、そういう時代も長くありました。

ただし、今は「会員の希望する仕事」も「お客様が依頼したい仕事」も変化しており、じつにさまざまな仕事が扱われるようになりました。センターにより請けている仕事は異なりますので、詳しくは入会をご検討のセンターのホームページをご覧ください。

ホームページから就業情報を見ていただくのが一番リアルですが、単発的に発生する仕事やお客様の意向がある場合、ネット上に出ないこともあります。

そして、入会しても必ず仕事に就けるということではありません。

自ら就業情報などを見て希望する就業先を探し、申し込む必要があります。そして、申し込みをしても選考がありますので、別の方に決まることもあります。

センターによって仕事の仕方や種類は多岐にわたるのですが、すべてのセンターを通していえることは、「絶対に仕事に就けるということではない」ということです。

多くのセンターでは就業率(会員全体数に対して、就労をしている会員数)が6~8割となっていますので、なんでもOKという気持ちでトライいただける方は比較的なんらかのお仕事に就くことができると言えます。

ただ、ホワイトカラー出身の方や長くご家庭に入っていらっしゃった方は仕事への希望条件を狭く設定しがちなので、そうなると『希望する仕事がない』ということで退会を考えてしまうことに繋がります。

もちろん希望条件は誰にでもあることですので、『そう言わず、なんでもやってみましょうよ!』と大きな声では言えないのですが、シルバー人材センターで扱う業務のほとんどは「覚えた内容を誠実にこなせば誰でもできる仕事」として調整しているため、ハードルは低くなっています。

ですので、とりあえず何も無いよりはやってみようか。と思っていただければいいなというのが事務局職員の本音です。かっこよく言えば、自分の可能性を狭めないでほしいという感じです。

実際、長くシルバー人材センターを見て担当も持ってきた経験から、清掃や行政広報誌配布など「まとまったボリュームではない仕事」に就いている方でも会員活動を楽しんでいらっしゃいますし、『人がやりたがらないような仕事のほうが面白いし、人の役に立っている気がして良い』と仰っていただけることもあります。

シルバー人材センターとして受けているということは、めちゃくちゃキツイということは原則無いものと考えていただいて構いませんので、気楽に取り組んでいただいたほうが気楽に良い付き合い方ができるはずです。

働くことだけじゃないんです

シルバー人材センターがハローワークと違うということや、仕事だけではないということはなんとなくご理解いただけたかと思います。

これ以上詰め込むと情報量が多くなるので簡単にですが、シルバー人材センターに入会いただくとできることは様々あります。

入会してすぐに可能なこととして、

●ボランティア活動への参加

●高齢者支援に関する研修やセミナー等の受講、情報の享受

●互助会活動・サークル活動などへの参加

●総会への参加による組織の意思決定

などが挙げられます。また、中長期でみると

●理事や監事として組織運営の代表者になる

ということもあります。(センターにより内容は様々ですので、詳しくはそれぞれご確認ください。)

シルバー人材センターはひとつの会社のようなもので、会員は「社員」ですので、「社長」になることもできる、ということです。(実際は社長ではなく会長・理事長です。)

嘘のような本当の話ですが、現役時代に会社役員などを経験したことが無かったり、ながく家庭に入っていた「普通の」会員さんが班長や理事を経験してセンターの理事や会長になる。ということが普通にあります。

理事・会長といっても名誉職のようなものでしょ?と思われるかもしれませんが、事務局を含む人事権関係から予算執行・センター事業計画策定などに至るまで、とても多くの権限を持っています。

ですので、悪く言えば理事や会長次第でセンターの運営方針がコロコロ変わる組織なのですが、良く言えば会員の自主性が組織運営に直接反映される仕組みになっているということです。

アルバイトのような感じでちょっと働ければいいという方はいち会員のまま活動いただき、たまにボランティア活動に出るという感じでもOKですし、やっているうちに「もっとこうしたい」「こうあるべきではないか」と想いがあれば、理事になって組織を変えていくこともできるということです。

事務局職員としては大変なところでもあるのですが、とても良い仕組みだと思っています。

お金が必要という方だけでなく、家で時間を持て余している方も、社会参加をしたいという方も、シルバー人材センターでは「社会とつながりたい」高齢者を幅広く受け入れている組織ですので、ぜひご入会を検討ください。

タイトルとURLをコピーしました